『クローン・ウォーズ』シリーズ感想~アナキン・アソーカの活躍と敵味方問わず個性的なキャラクターたちが魅力的~

STAR WARS
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先日はスター・ウォーズの2Dアニメ、現在では「レジェンズ」(正史でない)扱いとなっている作品『クローン大戦』についての感想記事を書かせていただきました。

今回は、カノン(正史)作品とされている『クローン・ウォーズ』シリーズの感想記事を書かせていただきたいと思います。
全編フルCGで描かれていることが、『クローン大戦』との大きな違いですね。
また、内容的なことに関しては、『クローン大戦』で描かれた、アナキンがパダワンを卒業する以前のストーリーは省かれていることと、新キャラクターとしてアナキンの弟子であるアソーカ・タノが登場し主要キャラクターの一人として活躍すること、といった特徴があります。

以下、映画版とアニメシリーズ1~6を通して視聴してみた感想になります。
未視聴の方のために重大なネタバレには配慮した上で書かせていただきたいと思います。

映画版『クローン・ウォーズ』あらすじ

アニメ『クローン・ウォーズ』より

「スター・ウォーズ」シリーズの新3部作「エピソード2/クローンの攻撃」と「エピソード3/シスの復讐」の間に位置する“クローン戦争”を描いた長編CGアニメーション。
ドゥークー伯爵率いる分離主義勢力とジェダイを擁する共和国との間に勃発したクローン戦争が激化する中、ジェダイのアナキン・スカイウォーカーは彼のパダワンであるアソーカと共に重要な任務へと向かう。
やがて彼らは犯罪組織の首領ジャバ・ザ・ハットに出会い……。

映画.comより引用

時代背景としては、やはりEP2と3の間。
既にジェダイナイトに昇格済のアナキンに、あるときパダワン(弟子)が託されるところから物語は始まります。
彼女の名前は、アソーカ・タノ。まだ幼い彼女は、非常に勝ち気でアナキンをあだ名で呼ぶほどのおてんばな少女でした。
アソーカに振り回されながらも、次第に師として彼女をなんとか導いていこうという責任感を抱き始めるアナキン。
やがて二人は、分離主義勢力による大きな”陰謀”に巻き込まれることに――というのが映画のおおまかなあらすじです。

映画版、アニメシリーズ全体を通しての感想

映画版では見られなかったキャラクターたちの活躍が光る

『クローン・ウォーズ』は映画版と全70話以上にもなるTVアニメシリーズからなるのですが、特筆すべき点は映画版ではなかなか活躍が見られなかったジェダイたちの活躍が見られることでしょう。

特に、プロ・クーンキット・フィストーは何回かに渡って活躍する回が描かれ、強い印象を残したキャラクターたちでした。(キット・フィストーに関しては映画版でもそのビジュアルや雰囲気――常に笑みを湛えているかのような――からして印象に残っていましたが。)

また、ジェダイではないですが、パドメもヒロインの一人として時に体を張った活躍を見せてくれますね。
パドメはEP3では妊娠中ということでなかなか活動するシーンは見られず、また、情緒不安定なアナキンを気にかけているという精神状態ゆえになかなか元気な様子を見ることができなかったので(ストーリー上仕方がないとはいえ)、『クローン・ウォーズ』でアナキンと並んでさっそうと活動している姿を見られたことは嬉しかったです。

何かと批判されがちなジャー・ジャー・ビンクスがコメディリリーフ、癒しキャラとして活躍していたのも個人的には嬉しかったです。
シリーズの終盤になるほどシリアスな展開が続いていくのですが、そんなときにジャー・ジャーがひょっこり登場するとぱっと雰囲気が明るくなるのが良かったですね。
(彼はアナキン・オビ=ワン・パドメの三人ともと旧知の仲であるという、考えようによってはなかなか美味しい役どころだと思うのですが、映画版ではなかなかそのキャラクターを生かしきれていなかったようにどうしても思えてなりません…)

限られた尺、決められた舞台の中で一定の主要キャラにスポットを当てたストーリーという明快さ

本シリーズは、主人公は基本的にアナキン・オビ=ワン・アソーカの三名なのですが、回によってスポットの当たる人物がそれぞれ異なります。
他のジェダイが活躍する回もあれば、トルーパーたちがメインで描かれる回もあり、パドメやジャー・ジャーなどその他の人たちが主役の回もあり…と、とにかくバリエーションが非常に豊かです。
(そもそもこのシリーズの第一話の主役はヨーダでしたしね)

先に述べたように、映画では時間の都合上なかなか活躍が見られなかったキャラクターたちが生き生きと活躍している姿は、見ていて非常に新鮮でしたし、何よりスター・ウォーズというシリーズの世界観が自分の中で大きく広がったように思います。

また、基本的なストーリー構成としては、「分離主義勢力に脅かされている惑星へ主要人物たちが赴き、問題解決に至る」というものなのですが(もちろん、全部が全部こういった話ではなく、あくまで大まかな感想です)、映画では登場しない惑星も数多く登場します。

そういった惑星で現地の住民たちと触れ合う様子が、ちょっとした異文化交流のようで、これまたスター・ウォーズの世界観を深く掘り下げているな、と思わされましたね。

個人的に印象に残っているのは、戦争に一切介入しない、という立場を一貫して貫いていたとある星の人々が、分離主義勢力に侵略され、ついに若者たちが決起し戦うことになる…という回です。

これまでその星の長たちは何があっても(どんなに不当な仕打ちを受けたとしても)武器を取らない、戦争に介入しない、という姿勢だったのにこれからどうなるのかな…と、その星の行く末が非常に気になる結末でしたね。

キャラクターについての感想

新キャラクター・アソーカについて

映画版からなる『クローン・ウォーズ』シリーズのヒロインはパドメよりもむしろアソーカといっていいのですが、
このアソーカが全く持って絶妙なキャラクター造形をしています。

まず、女性であること。
これがもしも男性キャラであれば、(こういう言い方はあまり適切ではないかもしれませんが)オビ=ワン&アナキンの師弟関係の「焼き直し」のように見えてしまっていたかもしれません。
よって、アソーカを女性キャラとしたのは良い考えだったと思います。

そして、性格的にアナキンに非常に近く、互いに親近感を抱きやすい関係であるということ。
オビ=ワンとアナキンは慎重派と行動派という対照的な性格で、それ故に衝突することも多いのですが、アソーカはアナキンも手を焼くほどのアグレッシブな性格です。
その性格故に、まだまだ未熟なアソーカは時折失敗もしてしまうのですが、その度にしっかりフォローを入れてくれるアナキンは師匠というよりもまるで兄のようでした。

アソーカの成長を通して、アナキンもまた成長していっている――そんな風に、アソーカとアナキンは互いにとても良い影響を及ぼし合う関係だと思われます。

シーズン後半になるにつれて、アソーカが成長し、ジェダイイニシエイト(候補生)の子供たちを指導するようになった姿などを見ると、ああ成長したなぁ、と微笑ましい気持ちにさせられましたね。
アソーカはアナキンによく似たアグレッシブな性格であると先に述べましたが、個人的にアソーカはアナキンと比べるとより柔軟な思考を持っていると思います。(男性と女性という違いもあるのでしょうが)
そして、様々な経験や知識をどんどん吸収して自分のものにしていく能力や、その場に応じて臨機応変に対応する能力も高いですね。

アナキンのパーソナリティーの掘り下げと、アソーカの成長が、クローン・ウォーズの最も大きなストーリー軸であるといって良いでしょう。

多面的な魅力を持つ敵キャラ・ヴェントレス

たくさんの個性的・魅力的なキャラクターが登場するスター・ウォーズシリーズですが、もし、スター・ウォーズの女性キャラの中で一番好きなキャラクターは、と問われたら私はアサージ・ヴェントレスの名を挙げます。
彼女は『クローン大戦』でも登場するキャラクターで、ドゥークー伯爵からフォースとライトセーバーの扱いを学んだ、いわば悪役です。
性格は冷酷で残忍、とまさに敵キャラのテンプレのようなキャラクターです。
悪役なのですが、敵として好き、というだけでなく一人の女性としても大好きですね。

ネタバレは避けますが、ヴェントレスはシリーズ中盤以降、「敵キャラクターの一人」として、でなく「主要人物の一人」として、自身の人生における大きな”転換期”を迎えることになります。
そこで彼女は、「女性敵キャラ」という、テンプレートのキャラクターから”脱皮”し、怒り、悩み、もがき苦しみ、やがて悟りを開き…といった”生身の人間”として描かれることになるのです。

そんなヴェントレスというキャラクターの、ただの冷酷な敵キャラクターというだけでない、多面的な魅力溢れるところが大好きです。
スキンヘッドに青白い肌、鋭い目つきといった非常に個性的かつ先鋭的なビジュアルも個人的には好きですね。
シリーズ序盤はロングスカートを履いている(ように見えますが…スカートですよね?しっかり確認したわけではないのでやや曖昧です汗)のですが、スカートを翻しながらライトセーバーを荒々しく振るう姿もまたギャップがあって良いなぁと思いました。

一人一人にきちんと「人格」が与えられているクローン兵たち

アナキンやアソーカ、オビ=ワンがクローン・ウォーズの「表の」主人公だとすれば、彼らを支える「裏の」主人公たちは、同じ顔を持ちながらもそれぞれ違った個性を持つクローンたちだと言えるでしょう。
彼らは忠実に命令を遂行する兵士たちだということに変わりはありませんが、クローン・ウォーズシリーズの中には、そんな彼ら一人一人のパーソナリティーにスポットを当てたストーリーが度々描かれます。

主要メンバーがなかなか現場にたどり着けないという緊迫した状況の中、ルーキーのトルーパーたちが踏ん張りを見せる回、
理不尽な上官の命令に黙って従うか、それとも命令に反してでも自分たちの意思を貫くかといった選択を迫られ各々が葛藤する回、
戦争から離脱し、辺境の惑星で妻子を得てひっそりと生活を続けているクローンが登場する回…

彼らはクローンではありますが、決して「意思のない操り人形」などではありません。

それぞれ異なる人格、意思を持った、誇り高い兵士たちなのです。

そんな彼らに、ストーリーが進むごとにだんだんと愛着が沸いていったものですが、彼らに親しみを持てば持つほど、EP3で待ち受ける出来事を思い切ない気持ちにさせられましたね…。

クローン・ウォーズを通して見てみると、EP3・シスの復讐は正義感が強く才能に恵まれた一人のジェダイと、有能なトルーパーたちが「転向」してしまう物語、と言えるのかもしれないな、と思いました。

忘れてはいけないプリクエル主人公、アナキンの存在

魅力的な新キャラクターの存在や、映画ではなかなか活躍が見られなかったジェダイたちも活躍の場を与えられている、というのがクローン・ウォーズの魅力の一つですが、それだけでなくアナキンやオビ=ワンといった映画でもおなじみの主要キャラクターの内面がより掘り下げられている、時には意外な一面や思わぬ過去が明かされることもあるというのも本シリーズの特長だと思います。

特にアナキンに関しては、上でも少し述べましたが、アソーカの存在は彼にとって非常に大きいものだったのだな、というのがよく分かります。アナキンとアソーカはよく似たタイプだからこそ、互いの良い面も悪い面もよく分かり合えているんですよね。
師匠として弟子を導いていく、というよりも、同じ目線で時には喧嘩をしながらも意見を交わし合い、一緒に成長していくという関係。
そんな兄妹のような二人の関係は見ていて微笑ましかったですね。

そんなアナキンですが、シリーズ後半になるにつれて、長引く戦争に対しての疲れとジェダイ評議会への不信感、またパドメととある人物との接触に心をかき乱されるなど、じわじわと精神的に不安定になっていく様子もまた細かく描写されていましたね。
特に、(ネタバレは避けますが)オビ=ワンやアソーカが絡む事件に関しては、アナキンの心に受けた衝撃は非常に大きなものだったと思います。
映画だけ見ていると、EP3におけるアナキンの「転向」はやや唐突に感じられる方も多いかもしれませんが(私は自分なりに解釈して脳内補完していましたが)、クローン・ウォーズを挟むとそんなアナキンの心情の変化にも納得がいくのではないでしょうか。

2Dアニメの『クローン大戦』もそうでしたが、EP2~3のクローン戦争時を描いている作品は、プリクエル、特にアナキンというキャラクターをしっかりと掘り下げて描いていますね。
そんなところも、プリクエル好きの方にクローン大戦やクローン・ウォーズ好きの方が多い理由の一つなのではないかと思います。

『クローン・ウォーズ』感想まとめ

クローン・ウォーズは個性的かつ魅力的なキャラクターが数多く登場するだけではなく、ストーリー構成に関しても非常によく練られた作品であると言えるでしょう。

個人的なことになるんですが、全70話以上と知ったときは途中どこかで脱落してしまうだろうと考えていたんですよね。
ところが、いざ見始めると、中だるみどころかシリーズが進むごとにどんどん深まっていく人物描写やハラハラドキドキのストーリー展開に目が離せなくなっていったものでした。
勝ち気なアソーカのキャラは微笑ましく、ヴェントレスの強さに惹かれ、クローントルーパー一人一人に感情移入してしまい、そしてアナキンというキャラクターについてより一層知ることができた、自分にとってクローン・ウォーズはスター・ウォーズシリーズに欠かせない作品です。

今でしたら、ディズニーデラックスで全話視聴可能ですので、もしご興味のある方はぜひとも視聴していただければと思います。

スター・ウォーズの映画は見たことがあるけどアニメまでは知らない――そういった方にこそぜひおすすめしたい作品です。

(※)EP3に至るまでのアナキンの心情について考察記事を書かせていただいております。

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