STAR WARS IDENTITIES 観に行ってきました ~”IDENTITIES”に見るアナキンとルークの人生の対比~

STAR WARS
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記事の更新が遅くなりましたが、去年の11月末日、スターウォーズの展示会・STAR WARS IDENTITIESに行ってまいりました。

場所は東京の寺田倉庫。

地方住みですが、どうしても行きたかったので日帰りの東京旅行を決行するという結構おもいきった決断を致しました…。

おかげ様で、充実した時間を堪能することができて大変満足できました。

今回の記事は、展示物そのものの感想と、アナキンとルークの人生の対比という展示のテーマについて改めて自分なりに感じたことを述べたいと思います。

主な展示内容

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入場時に手渡された音声ガイドに案内されながら奥へと進んでいくと、そこはもう「スターウォーズ」の世界でした。

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展示の内容は、各キャラクターの衣裳やデザイン画、初期のイメージイラストなど、そしてスターウォーズにはかかせないドロイド、トルーパー、エイリアンetcも勢ぞろいでした。

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また、アニメの「クローン・ウォーズ」からアソーカ・タノの展示もあったのも、アニメシリーズのファンとしてはとても嬉しかったです。

ただ、アソーカのキャラクター紹介が若干酷い感じだったのには閉口してしまいましたが。笑(常識がないとかそんなこと言ってませんでしたっけ…彼女は確かにおてんばな娘ではありますが根はとっても良い子なんですよ汗)

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個人的にはヨーダの人形にとても感銘を受けましたね。今にも動き出しそうなヨーダでした。

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展示の最後は、やはりこの人

背後の青と赤のコントラストは、ライトサイドとダークサイドを表しているのでしょうか。

出口のショップで販売されていたポスターだかカレンダーだかのキャラクターグッズ、ダースベイダーのものだけ完売していました。さすがの人気ですね。

心理テストで見る「スターウォーズの世界」

また、ちょっと変わった試みとして、「貴方はスターウォーズの世界ではどのような人なのか」といった心理テストのようなものもやっていました。

(種族はどれか、どのような惑星で生まれ育ったのか、職業は、師となる人物は、…等)

展示だけではない、こういった試みも入場者を飽きさせないようにとなかなか面白い試みだったのではないでしょうか。

(ただ、どうしてもこの心理テストに一定の時間を取られてしまうため、場所によっては混雑の原因となってしまうこともあったのは個人的に少しマイナスポイントでした…。試み自体は面白かったんですけどね)

私の場合は下記の通りのキャラクターになりました。

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THE・普通。

何が何でもダークサイドには屈しない、というのが唯一の強みでしょうか…汗

ちなみに、後ろの方に写っているのは一緒に行ったパートナーです。

残念ながら彼はシスの皇帝の手を取ってしまったようですが。

IDENTITIES : アナキンとルークの人生の対比

この展示会のイベント名の「IDENTITIES」、一体どういうことだろうと思って見てみれば、スターウォーズの主要キャラクター、アナキンルークの人物像や辿った人生を心理学的に比較分析するという、コアなファンの方にとってはとても興味深い内容でした。

実の親子であるアナキンとルークは、とても似通った人生を辿っています。

砂漠の惑星タトゥイーンに生まれ育ったこと、機械いじりやパイロットとしての腕前、フォースの素質、父親のように慕っていた人との別れ、…などなど。

しかし、似通った人生を辿りながらも、二人は最終的には全く逆の道を選ぶことになりました。

二人の人生の分岐点は一体どこにあったのか。

展示では、二人の共通点を辿っていきながらも、二人を分けた要素を一つ一つ分析していって、なかなか興味深い内容でした。

私が思うに、ルークとアナキンの大きな違いは、幼少期の家庭環境の違いだと思います。

一般庶民として、叔父夫婦の農業を手伝って育っていたルークに対して、アナキンは母親と二人、奴隷として扱われていたという過酷な環境でずっと育ってきました。

また、母と別れる、父のように思い始めていた人(クワイガン)を喪うといった辛い経験をしたのは、アナキンがまだ9歳という幼い頃の出来事でした。

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私は以前の記事で、アナキンに対して思うことを色々と述べましたが、

改めて彼に対して思うのは、一つは自分と他者との境界が曖昧であるということです。
他者と自分との境界が曖昧だということは、自分は何者であるのか、といった自我の不安定さ、他者への強い依存にも結び付くことになります。

具体例を挙げてみれば、アニメの「クローン・ウォーズ」で、アソーカがとある事件を経てからジェダイオーダーへの不信感を表したとき、
アナキンはアソーカに深く同情し彼女を気遣っていました。

が、実は他でもないアナキン自身が、かねてからジェダイに対して複雑な思いを抱いていたのです。(この辺りの心情描写は映画本編からも窺えますが、アニメシリーズでは更にもう一歩踏み込んで、ジェダイオーダー内におけるアナキンの複雑な立ち位置が描かれていました)

つまり、アソーカに同情を寄せていたというアナキン自身の思いに間違いはないのでしょうが、それだけでなく、どこかで自分自身の感情とアソーカの感情を混同していたのではないか…と私には思えてなりませんでした。

こういった性質--他者と自分との境界が曖昧な性質を持つ人は、良い方向に傾けば共感力が高く思いやりがある人だとみなされ、周囲から信頼されやすいです。

アナキンのパダワン・アソーカや、キャプテン・レックスを含めたトルーパー達のアナキンへの信頼を見ても分かるように。

ただ、悪い方向に傾くと、自分がこう思っているのだから貴方も同じ気持ちなはずだ、と自分の思いを他者に押し付けてしまう、ともすれば傲慢な奴だとみなされてしまうことにもなりえるのです。

アナキンが仲間に対して情に厚いと称されやすい反面、人によっては危なっかしい、思慮が足りない、などとみなされることもある(ジェダイ評議会の面々からは概ねそう思われていましたね)のは、そういった性質からくるのだと思います。

もう一つ思うのは、彼は物事を白か黒かのどちらかでしか考えられない、白黒思考の傾向があるということです。(他者と自分との境界が曖昧な人にはよく見られる傾向です…)

これに関しては、特にエピソード3における、最高議長パルパティーンとジェダイ評議会との間に挟まれて揺らぐアナキンの様子から窺えますが、
最もその特徴がはっきりと出ていたのは、「クローン・ウォーズ」の惑星モーティスでの回、自身がダークサイドに堕ちてしまった未来の姿を見てしまったときのアナキンの反応でしょう。
いくら精神的ショックが大きかったとはいえ、客観的に見ても非常に極端と言える過剰反応でした。
まさに善か悪か、白か黒かの両極端な捉え方しかできない(傾向がある)、というアナキンの特徴がよく出ていた一場面だったと思われます。

小説版の『シスの復讐』にて、暗黒面に転向したアナキンに対してオビ=ワンが「白か黒かでしか物事を測れないのはシスだけだ」と説く場面がありますが、シスになったからどうこうというわけではなく、アナキンのもともと持っていた性質なのでしょうね。

そして、アナキンのそういった諸々の性質の原因は、幼少期における、大切な人達との悲しい別れという出来事が成長してからもなお心身に影響を及ぼしているからなのではないでしょうか。

大切な人を喪うことが怖いから、他者とのつながりを強く求め過ぎてしまうし、また物事を急いて考え過ぎてしまう。

そういった幼少期のトラウマ(心的外傷)が、アナキンの人格形成に大きな影響を与えているのではないかと私は考えています。

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『スター・ウォーズ ジェダイの帰還』より

EP6のラストを振り返って思うのですが、

ベイダー(アナキン)にとって、自分に近い遺伝子を持っていて、自分と同じ才能を持ちその他色々な共通点があるにも関わらず自分と全く違う道を選択したルークという存在があったことはすごく幸運なことだったんだなと改めて思いました。

ルークがはっきりと皇帝の誘いを拒否したのを見た瞬間、彼はやっと今までの自分自身と自分の送ってきた人生を見つめ直すことができたのではないでしょうか。

そして皇帝の攻撃からルークを守ったと同時に過去の自分自身をも救うことに至ったのではないか…という考え方もあるかもしれません。

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『スター・ウォーズ ジェダイの帰還』より

また、逆にルークは、それまで「かつてジェダイだった」という、オビワンからの伝聞情報でしか知らない父に対してなかなか確固たる思いを持てていなかったのが、

父の義手を見たあの瞬間、自分が父と似ていること、同じ道を今まさに歩みかけていることにはっきり気がついたのではないでしょうか。

だからこそ、暗黒面に近づきかけていた自分に気づいて、踏みとどまることができたのでしょうか。

そういった二人の心理描写に着目してみると、EP6のラストはルークの目線から見ても、そしてアナキンの目線から見ても、非常に感慨深い結末だなと思ったものです。

まとめ

途中、少々脱線してしまいましたが汗

非常に充実した展示内容で、日帰りなので結構な強行スケジュールではありましたが、行って良かったなと心から思えた東京旅行でした。

そして、品川駅から天王洲アイルまでが思ったよりも近かったのがちょっと意外でしたね。バスか何かで行くのかとおもいきや、景色を眺めながら歩いていたら割とすぐに着きました。おかげで良い運動になったと思います(夜中に出発して早朝から新幹線にしばらく乗って、まぁまぁぐったりしていたので…笑)

IDENTITIESは終了し、映画シリーズは『スカイウォーカーの夜明け』を以て幕を閉じました(映画の感想記事もまた後ほどアップしたいと思います)が、アニメシリーズはまだ続編がありますし、まだまだスターウォーズ熱は続きそうですね。

アニメもその他のイベント(スピンオフのドラマなど)も、楽しみに待ちたいと思います。

(※)EP3に至るまでのアナキンの心情について考察記事を書かせていただいております。

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