映画『海辺の家』感想 ~「家の建て直し」と「家族の再生」の物語~

映画レビュー
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先日、知人から紹介されてとある映画を視聴する機会がありました。
それが、この作品『海辺の家』(原題:Life as A House)です。

2001年に公開された映画ということで、もう20年近く前の作品ですね。どうりで、作中に出てくるパソコン等電化製品も今見たらレトロな感じがして懐かしいわけです。笑

私は完全に初見だったのですが、彼は昔見たことがある、とのことだったので、最初は彼の記憶を辿りながら一緒に視聴し、後日また改めて一人でじっくり視聴させていただきました。

「家の建て直し」と「家族の再生」の物語

主人公のジョージは一人暮らしをしている少々(?)変わり者の男性です。

建築士として働いているのですが、昔気質の職人家タイプの人で、IT化を推し進めている会社側としては扱いづらいタイプの社員だな…と思いながら見ていると、開始早々、責任者に呼び出されてリストラを言い渡されてしまいました。

さらに追い打ちをかけるように、ジョージの身体は病に蝕まれていることが判明し、医師から余命宣告を受けてしまいます。

残されたわずかな時間、彼は「やり残していたこと」ーー自身の家を建て直すことと、自身の家を建て直す別れた妻の息子との和解という二つの目標を糧に病身に鞭を打って動き出すことになります。
「家を建て直す」ということと「家族との絆の再構築」をかけている、というわけですね。


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主人公にある日突然何らかの不幸が降り注ぐ、あるいは余命宣告されることによって自らの人生を見つめなおすという物語は(言い方はあまりよろしくないかもしれませんが)ある種「定番ネタ」とも言えるのですが、本作は奇をてらうことなくそういったテーマに丁寧に真摯に向き合っているという点が良いなと思いました。

主人公のキャラクターも、いきなりリストラされるわ余命宣告されるわと次々に不幸な出来事に見舞われるにも関わらず、クヨクヨと悩んだりせず、自身で定めた目標に向かって突き進むエネルギッシュなところが良いですね。(むしろ映画の冒頭よりも病気が判明してからの方が生き生きしているような…)

自身の家を建て直す彼のひたむきさと(傍から見たらちょっと引いてしまうぐらいの笑)行動力がこの作品をどんどん引っ張っていっていると思います。

思春期にして反抗期真っ最中の息子

そんな彼には別れた妻(今は再婚している)と息子がいるのですが、この息子のサムが今まさに反抗期の真っただ中なのでした。

まぁ、ピアス等派手な格好をしてみたり喫煙をしたりジャンキーだったり部屋に引きこもって大音量で音楽を聞いていたりと非常に分かりやすいといえば分かりやすいグレ方なんですが、親からすればたまったものではないですよね。(個人的な主観でいえば化粧もピアスもどうでも良いんですがドラッグは完全にアウトでしょう)

ただ、学校等でいわゆる不良っぽい友達とつるんでいるときも大して楽しくなさそうですし、本当に危険な行為に関しては気が進まないと断っていたりと、根っこの部分ではワルになりきれていないところもあるんですよね。
父親との口論の最中に、ママからも何か言ってよとか母親に頼ろうとする辺りもまだまだ甘ちゃんの子供です。

そして恐らく自分でもそんな自分に気づいていて、何者にもなれない中途半端な自分へのいら立ちを内心募らせている。

あの派手な化粧やピアスは、なんとしても「何者かになりたい」という彼の心の葛藤そのものなんだなと思います。(なので、そういった内面の問題がまだ解決していないのに真っ先にその外見を改めろと説教するのは順番が逆ですよね。)

とはいえ、母親からすれば家の外にいるときの息子の姿など想像もできないでしょうし、息子が何を考えているのかが分からなくて本当に困惑していることでしょうね。

母としては我が子に寄り添ってあげたい、理解してあげたいという気持ちが強いでしょうが、年頃の男の子となるとなかなか踏み込めない(そして踏み込んではいけない)こともありますし、母親と思春期の息子の関係って難しいな…と改めて感じさせられました。

幾度となく衝突を繰り返して

かなり強引に息子を連れ出し、家の建て直しを手伝うように言いつける父ジョージですが、もちろん最初から大人しく父親の言うことを聞くような素直な息子ではありません。

何度も何度も衝突を繰り返し、あまりの強引さに虐待だの警察を呼ぶぞだのと罵られても(この辺のニュアンスがなんともアメリカらしいですね笑)なお必死に息子と向き合おうとするジョージ自身にも、実はかつて実父との確執があったという過去がありました。

自分も過去に自分の父親のことを嫌っていた。
そして、今では自分の息子に嫌われている…。

因果は巡るというか、歴史は繰り返すというか、なんとも言えないですね。

そして、そんな父に反発しながらも、なんだかんだで父の元に留まり続けるサム自身もまた、自身と向き合い、自分を変えたいと思うようになっていきます。

彼にとって一番の転機となったのは、前述した「危険な行為」に(嫌々ながらも)手を染めてしまったということでしょうか。

幸い未遂?で済んだと思われるのですが、警察からなんとか逃れた後、一人泣き崩れる姿からはもうこんな事はこりごりだという気持ちが痛いほど伝わってきましたね。

痛々しかったですが、後の展開を思うと重要なエピソードだったように思います。(後々の伏線もさりげなく張られていましたしね)

「家族」の再生と、切なくも希望溢れるラスト

そういった父親の過去の話を父自身の口から聞かされた息子サムは、やがてしぶしぶ(建前上は「クスリ代目当てのアルバイト」ですが)家の建て直しを手伝うようになります。

化粧もピアスも取って、ドラッグもきっぱりやめて、ラフな服装で父親を手伝う息子はもうすっかり年相応の男の子の顔になっていました。

そして、そんな息子の様子を見に来た母親もまた、別れた夫と改めて色々な話をします。
家族三人で暮らしてきた家のこと、そして小さかった頃の息子のこと…。

「家を建て直す」という一つの目標に向かって、バラバラになってしまっていた家族が少しずつ少しずつ絆を取り戻していく描写はとても心温まるものでしたが、それと同時に父ジョージに残された時間を思うと、なんとも切なくなりますね。

映画の終盤では、ついにジョージの病状のことが明らかになるのですが…こうなるだろう、と展開の予想はしていたもののやはり辛いものは辛いなという気持ちにさせられました。

ただ、それでも辛い、悲しいというだけでなく、家族の温かさと未来への希望を感じさせられる素敵なラストだったように思います。

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一応気になったところも挙げておくと、隣家の母娘のエピソードは正直いらなかったのではということと、特にこちらの方が大きいのですが年齢制限がついていない割に性描写が結構多いことでしょうか。

前者に関しては微妙に訳アリな雰囲気をほのめかしておいて結局中途半端に終わってしまった感がありますし、後者に関してはせっかく家族というものをテーマにした映画なのにうっかり家族でそういったシーンを見てしまったら非常に気まずいことこの上ありません。汗

思春期の性の悩みや葛藤を描くこと自体がだめだとは言いませんが、あまりにも直接的すぎる表現は避けてほしかったな…というのが本音です。

(少々きつい言い方になってしまったかもしれませんが、本当に家族で見てほしい素敵な映画なだけに、あえてこういった意見も書かせていただきました。)

とはいえ、映画全体としてはとても良い雰囲気の映画で、観終わってから、しばらくの間も、余韻を引きずるというか映画の中の印象的だった色々なシーンをじんわりと思い出される作品でした。

普段洋画はあまり見ないんですが、思わぬ良作に出会えて嬉しかったです。

素敵な映画でした。

~余談~

息子役の方はスター・ウォーズのアナキンを演じていた役者さんだそうですが(スター・ウォーズシリーズに関しては、個別項目に感想記事をまとめています)、事前にそう言われると、サムが暗い顔をしたり時折激昂したりする度にどうしてもアナキンの面影がチラついてしまったなぁというのが正直な感想です。汗

ハリー・ポッターのダニエル・ラドクリフくんも他作品に出演するにあたって「ハリー」としてのイメージを消すのにかなり苦労されたそうですし(彼の場合子役の頃からずっと「ハリー・ポッター」だったので猶更大変だったでしょうね…)、どうしてもそういうのってあるんでしょうね。

大作映画の主演を務めるということは若手の役者さんにとっては大きな経験になるかもしれませんが、一方でどうしてもそのキャラクターのイメージで見られてしまったり、はたまた変なバッシングを受けることもあったり等々、なかなか大変なのかもしれないな…と思いました。汗

(※)サム、アナキンを演じておられたヘイデン・クリステンセンさん出演の他の映画についても感想記事を書いています。


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