「渇望スル島」感想 〜廃墟となった島で「彼ら」を待ち受けていたものは?〜

フリーゲームと読書感想
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(※この記事は過去ブログからそのまま転載しております)

フリーゲーム紹介第3弾は、こちらの作品です。

 「渇望スル島」というゲームです。

ジャンルとしてはホラーノベルゲーム。
ノベルゲームなので、バ◯オシリーズのように敵に追いかけられたりというようなことはありませんが、全体的にバイオレンス描写やグロテスクな描写が多いので、そういった表現が苦手な方はご注意下さい。

〜あらすじ〜
廃墟マニアサイト『Ruins』。
知る人ぞ知るそのサイトの掲示板の常連達に、
管理人満月五郎から白寿島への探索ツアーの企画が持ちかけられる。
白寿島とは20年近く前に無人となった人工島で、
現在は立ち入りが禁止されているマニア垂涎の物件である。
大学で近代文化遺産研究会というサークルに加入している主人公は、
部長のネズ、紅一点のキリコと共にツアーへの参加を申し込んだ。
そこで彼は直面する。
隠されていた真実に…

(※公式サイト様より引用)

YouTubeにオープニング動画が投稿されておりますので、そちらも併せてご紹介致します。

モデルとなったのは、長崎にある軍艦島だそうです。
そして、そんな廃墟という舞台で繰り広げられるシビアな人間関係の描写もなかなかにリアル。
ネット掲示板を通じて知り合ったものの顔を合わせるのは初めてだという、登場人物達の微妙な距離感の描写が非常に上手いなと思いました。

登場人物は主人公を入れて11人となかなかの大所帯(年齢層も10代〜50代位まで様々)なのですが、どのキャラクターもとても個性豊かに描かれています。

そして、ノベルゲームのお約束として、序盤の選択肢でどれを選ぶかによってストーリーが4つのシナリオに分岐するのですが、この作品の大きな特徴として、分岐したシナリオによって、登場人物の立ち位置が異なってくるということが挙げられます。
年齢や職業、基本的な性格描写などは大きく変わることはないのですが、その人物の過去であったり、どういった目的でツアーに参加したのかなどといった背景などは本当にシナリオによって大きく変化します。
特に、性別と名前、大学生であるということ以外一切情報のない主人公(基本的には彼の一人称でストーリーは語られるのですが)に関しては、作中で一番振り幅の大きいキャラクターと言えるでしょう。

分岐先の4つのシナリオに関しては、ネタバレは避けますが、 
・ホラー&サスペンス要素が強いもの
・サバイバル的要素が強いもの
・恋愛要素がありほのぼのとした気分に浸れるもの(ただし後半は……ですが。)
・完全にギャグに突っ走ったネタシナリオ
の4つとなっております。 

どのシナリオもそれぞれ独特の良さがあるのですが、とりわけホラー・サスペンス要素の強いシナリオに関しては、伏線の張り方&回収の仕方といい、キャラクターの活かし方といい、全てのシナリオの中で群を抜いているなと思いました。このシナリオを終えてから、また最初からゲームを開始してとある人物の言動と行動に注意していたのですが、他のシナリオとの兼ね合いを考えても本当に自然に伏線を張られていて、上手いなぁと感嘆したものです。

サバイバル的要素が強いシナリオに関しては、まさかそう来るか…の一言。個人的なことになりますが、美容師の一磋さんがこのシナリオで好きになりました。

恋愛要素ありのシナリオは、シナリオのタイトルからしてなんとなく予測はしていたものの、途中からの展開の破壊力は凄まじかったですね…。鍵を握るキャラは女性キャラの一人、ユリカ。このシナリオは間違いなく彼女の存在あってのシナリオであると言えるでしょう。

ネタシナリオ完全にオマケシナリオですね。これまでヘビーなホラーシナリオをプレイしてきたプレイヤーにとって良い息抜きになると思われます笑


ホラーゲーム好きな方の中には「廃墟」という単語に惹かれる方は結構多いのではないでしょうか。
本作は、そんな方にものすごくピッタリのゲームだと思われますので、是非ともホラー・廃墟好きな方にはオススメしたい作品です。

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