「奇譚の青にねむる」キャラ感想〜ユーゴ編〜

フリーゲームと読書感想
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(※この記事は過去ブログからそのまま転載しております)

前回の記事から引き続き、フリーゲーム『奇譚の青にねむる』の感想記事を書いています。

前回の記事はこちらをご参照下さい↓

「奇譚の青にねむる」感想 〜貴族の屋敷に嫁いだ少女を待ち受けていたものとは?〜
童話「青ひげ」をベースに、屋敷の中で繰り広げられる怪奇現象に立ち向かい、「異界」からの脱出を目指すフリーホラーゲーム「奇譚の青にねむる」の紹介&レビュー記事です。 同行者との恋愛要素もあるので、ホラーだけでなく乙女ゲーム好きな方にもおすすめの作品です。


今回は攻略対象キャラクターについての感想を書かせていただきたいと思います。
(※エンディングに関する直接的なネタバレは避けておりますが、未見の方で予備知識一切なしでプレイしたいという方はご注意下さい)

まず一人目は、名家ティフォージュ家の主人・ユーゴについてです。

ユーゴについて

このゲームにはいくつものバッドエンドといくつかのキャラとの恋愛エンドがありますが、ユーゴの恋愛エンドは、作中で唯一、屋敷内で起こる一連の事件に関する全ての「真相」が明かされるルートです。
ですので、個人的には他のキャラとのエンドを先に回収しておいて、彼のルートは最後に取っておくことをオススメします。

主人公の婚約者(といっても、主人公の父親が勝手に決めてきた縁談話で、彼女自身には何も決定権はありませんでした)であるユーゴですが、序盤の方では主人公に対して非常に辛辣な態度を取り続けます。
その態度は、主人公の振る舞いや外見を罵倒するだけに飽き足らず、主人公の家柄(家族)に対しても揶揄の言葉を投げかけてくる程のもので、主人公=プレイヤーはこの人とこの先うまくやっていけるんだろうか…と婚約初日から不安に苛まれることになります。

ただし、プレイしていくうちに、序盤での主人公への態度にはある理由があったということが判明します。

恋愛ルート雑感

そんなユーゴの"本来の"性格ですが、、とにかく真面目で責任感が強く、身内や近しい人物に対して深い愛情を捧げる人物です。
仲間が後先を顧みないような行動を取ることがあれば激昂することはありますが、それも心から相手を心配しているが故のことです。
要するに、不器用なんですよね。
主人公に対しては、責任感の強さゆえ、恋愛関係を築く以前に「自分のせいで無関係な人間を巻き込んでしまった」という思いの方が強いようで、序盤はなかなか恋愛モードになってくれないな…と少しもどかしく感じることさえありました
(私はルネのルートの方を先にプレイしていたのですが、彼は結構序盤からグイグイ来る方だったので余計にギャップを感じたのかもしれませんね。)

そして、ルネの言葉からも分かるように、実は、ユーゴと主人公は色々と「似ている」ところが多いんですよね。
目の前の相手と常に真っ直ぐに向き合おうとする性格的な面であったり、(ネタバレになるので詳細は伏せますが)二人の生い立ちにも実は似通っている部分があります。

さらに言えば、やや不器用(…というかむしろ鈍臭い?)なところがあったり、実は甘いお菓子に目がない…といった共通点もありますね。
また、屋敷を侵食しつつある"異界"には様々な誘惑や罠があるのですが、それらに巻き込まれることなく、しっかり「自分」を保つことができている…というのも、二人に共通している点です。
(このことに関しては、主人公自身の性格というよりも、より良いエンディングを見るためにプレイヤーに求められているもの、といった方がよいかもしれません。かなりメタ目線になってしまいますが…)

会話イベントを重ねていくにつれて、最初は責任感の強さ故に主人公と少し距離を置いていたユーゴが徐々に主人公と打ち解けてきて、
「自分たちは似た者同士なのかもしれないな」とまで言ってくれるようになったときは嬉しかったですね。
ゲーム終盤、主人公と今後の話をするイベントでの愛の告白も、彼らしい真摯な言葉だなと微笑ましい気持ちになりました。

エンディング雑感(ネタバレなし)

一言で言い表すと、この上なく最高、最良のハッピーエンドでした。
主人公とユーゴは男女の恋愛感情だけでなく、いくつもの苦難を共に乗り越えてきた「同士」としても強い絆で結ばれているんだろうな、と思います。

そんな二人の歩む道は、決して楽な道のりではないでしょうが、共に支え合って、強くてたくましく生きていってほしいなと心から思ったエンディングでした。

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エンディングまでクリアした上で思ったことですが、ユーゴは(初登場時のアレな態度の時も含めて)全キャラ中、最も表情のバリエーションが豊かなキャラだなと思います。
序盤は深刻な状況下に置かれたゆえ、険しい表情をしていることが多かったのですが、徐々に主人公と打ち解けてきてからは、困った顔をしたり赤面したり苦笑したり、時には穏やかに笑いかけてくれるときもあったり…と、実に表情豊かで、立ち絵を見ているだけでも楽しいなと心から思いました。
全ての真相が分かる真エンド的な位置としてはもちろんですが、ユーゴという一キャラクターのルートとしても、とても楽しくやり甲斐のあるルートでした。

次回は、もう一人の攻略対象キャラ・執事のルネについての感想記事を書きたいと思います。

(※)ルネについての感想記事も書かせていただきました。

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