「ほろびのゆりかご」感想〜「人生は、”選択の連続”である」〜

フリーゲームと読書感想
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(※この記事は過去ブログからそのまま転載しております)

フリーゲーム紹介第4弾は、こちらの作品を紹介させていただきたいと思います。

「ほろびのゆりかご」という作品です。
公式のPV(OP映像)がYouTubeにアップされているのでそちらもご紹介します。

ゲームのジャンルは公式によると、「未来選択型サスペンスADV」とのことです。
要するに選択肢を選ぶことによってストーリーやエンディングが分岐していくという、これだけ書いたらどのゲームにもあるようなシステムですが、
本作においてはこの選択という行為が非常に重要視されています。
プレイする上での注意点として、
このゲームには暴力シーンや
グロテスクな表現が含まれています。
苦手な方はプレイしないでください。
(※ダウンロードサイト本文より)
とありますので、ご注意下さい。

ゲームの舞台は名もなき「白い場所」。
主人公は10歳の少年ホタロー。「白い場所」で生まれ育ち、外の世界のことは知りません。
年長者で主人公の「母親」でもあるしっかり者のメギ、無愛想でとっつきにくいミクリ、優しく穏やかな性格のエンゼリカ、活発な性格の同年代の少女ツナの計5人で、毎日を平穏に過ごしています。
母がいて、仲間がいて、美味しいご飯にありつけて、ホタローにとっては「白い場所」はまさに"楽園"といえる世界でした。

しかし、そんな平穏な毎日も、とある日、いつものようにメギ食料庫に食料を取りに行った日を境に、終わりを告げることになるのでした…

というのがゲーム冒頭のあらすじです。
一番初めの究極の選択、「主人公も一緒に食料庫に行くか行かないか」でストーリーが大きく分岐します。(分岐先の世界はどうやらパラレルワールドという扱いになるようです)

エンディングは合計8つ、そのうち全員が幸せな結末を迎えられるエンドはたった一つだけです。主人公や皆を待ち受けている過酷な試練に打ち勝ち、トゥルーエンドを見るまでの道のりは大変長く険しく、プレイヤーにそれなりの覚悟が求められます。

作中に何度も出てくる、「人生は、選択の連続である」という言葉。最初はピンとこないかもしれませんが、プレイ中は何度もこの言葉の意味を噛みしめることになるでしょう。

そして、プレイしていく中で、とある疑問が湧き上がってくると思います。主人公たちがいるこの世界は一体何なのだろうか?という疑問です。

この疑問に対する真の答が判明するのは、トゥルーエンドのルートのみです。
仲間たちを様々な試練から守り抜き、主人公たちの今まで過ごしてきた世界の「真相」が明らかにされたとき、、プレイヤーは大きな衝撃を受け、それまでの過酷な道のりに思いを馳せ、深い感慨に浸ることになるでしょう。

実際、私はメギの口からこの世界の「真相」を語られた瞬間、あまりの衝撃にしばらくゲーム画面を停止したまま呆然としていました。
嬉しいとか悲しいとか、そういったものではない、まさしく言葉では言い表わせない根源的な感情がどっと溢れてきて、涙が止まらなくなりました。
大げさと思われるかもしれませんが、ゲームの画面から語りかけてくるキャラに泣かされたんです。
それだけ、このゲームは、自分にとって大きな衝撃を与えられた作品でした。

ゲームの中であれば、何度も選択肢をやり直すことはできます。
願ったエンディング、最良の結末を迎えることはできます。
ですが、現実の人生で「やり直し」はできません。
私にも、あのときああしていれば良かった…というようなことは沢山ありますが、
それでも今の自分を受け入れて、前に進むしかない。
このゲームは、
そんな人生の辛さと、辛い現実を乗り越えた先にあるささやかな希望を感じさせられるような、大袈裟だと思われるかもしれませんが生きる力を与えてくれる作品だと思います。

『ほろびのゆりかご』。是非とも多くの方にプレイしていただきたい、フリーゲームの中でも間違いなく、胸を張って傑作と言える作品の一つです。。

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