「ふうらい奇譚 太陽の霊廟」感想〜通りすがりの冒険者一家の織り成す痛快ファンタジー〜

フリーゲームと読書感想
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(※この記事は過去ブログからそのまま転載しております)

フリーゲーム紹介第5弾としまして、今回紹介させていただくのはこちらのゲームです。

『ふうらい奇譚 太陽の霊廟』というゲームです。

ジャンルはRPG(ロールプレイングゲーム)。
総プレイ時間は、のんびり進めて15時間程、そこまでレベル上げせずにサクサク進めていると12〜3時間程度でしょうか。

セーブはメニュー画面の「記録」から、いつでもどこでも行えます。
(※動作環境によってはセーブ・ロードには2〜30秒ほど時間がかかってしまう仕様のようですが、フリーズではなくしばらく待つとちゃんと動くのでご安心下さい)

水彩画風の爽やかな絵柄と、中世ヨーロッパ風の世界観が多いRPGの中ではちょっと珍しい中華風ファンタジーというのに惹かれましたね。
公式の紹介動画はこちら↓になります。

(フリーゲームとしては珍しく、なんと本職の声優さんが声を当てておられるのもこの作品の大きな特徴の一つです。)

〜あらすじ〜

かつて大陸には一つの大きな国家があったという。
太陽王と呼ばれる人物が興した史上最大の国"太陽王国"は一瞬の栄華の後、
その姿を消した。

伝承に残るのみだった幻の国は、最近になって歴史の中から現実へと現れた。
古代の遺跡《墳墓》として発掘された都跡が、まさしく太陽王国の首都だったのである。
多くの調査隊や冒険者たちがかつての遺物を求め、一攫千金を狙い動き出した。
そして冒険者業をしている、とある家族もまた、
古の都に挑戦せんと《墳墓》へと向かっていたーー。

(※公式サイト紹介文より)

まず最初に思ったのが、主人公チームは長男のフェイ長女のツィフィル母親のミンファ祖父のラオと、パーティーメンバーが全員「家族」って珍しいな、という感想でした。
この手のRPGでの仲間というとだいたい10〜20代の同年代の男女、というパターンが非常に多いですよね。珍しい分、すごく新鮮な感じでした。

そして、ただ単に珍しい設定だな、というだけでなく、生まれた時からずっと一緒で血の繋がった家族であるからこその、冒険の中で見せられる見事なチームワークや結束力は余計な前振りや説明なしにプレイヤーを冒険の世界に引き込むための手段として良いな、とも思いました。とにかく全員が非常に仲の良い家族です。

ストーリーは、街を拠点としながら、古の都の《墳墓》とされるダンジョンを探索していく、という単純明快なものですが、主人公一味は探索を続けていく中で、様々な人物と出会い、多種多様な人生観に触れていくことになります。

また、プレイヤーキャラクターだけではなく、脇役である街の住人たち一人一人にもそれぞれの人生があり、ちゃんとした役割が与えられており、街の外から来た、言うなれば「余所者」である主人公たちと少しずつお互いに良い影響を及ぼし合っていくのが良いな、と思えました。

そして、探索を続ける中で明らかになっていく、古の都"太陽王国"に隠された真実。
遠い過去の"物語"と、今を生きている主人公たちの"人生"

ゲームの舞台となるのは、街と墳墓の二つのステージだけと規模自体は小さいといえば小さいのですが、そんな「狭さ」は全く感じられない、失われた太陽王国という国家を通して、一人一人の人生、歴史を描いた物語だと思いました。
過去の遺物、という言葉があるように、確かに過去は過去のまま、動かせないものです。
ですが、過去があるからこそ、今の自分がいる。そして、未来へと続いていく。そうやって「歴史」というものはつくられていく…といったメッセージ性を、説教臭く感じない程度に感じられましたね。

とても前向きに、そして爽やかな気分になれる良いゲームでした。個人的には、彼らの新しい冒険をまた見てみたい(=続編がもし出たらやりたい)な、という気持ちもありますね。

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